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ツバメへの放射線の影響についてツバメへの健康上の影響を強く示唆する証拠は、いまのところ見つかっていません現在(2013年4月)の時点までに、放射性物質による汚染地域で行われたツバメについての調査には、私たちが把握する範囲で、次のようなものがあります。 左右の尾羽の長さの違いについて福島第一原発の事故による放射線被爆の影響で、ツバメに奇形が生じ、左右の尾羽の長さが異なっているのではないかという説をネットで見かけます。その可能性を完全に否定することはできませんが、ツバメの左右の尾羽の長さが異なるのは珍しいことではありません。特に、左右の尾羽に目視して分かるほど大きな差がある場合、最も可能性がありそうなのは尾羽の欠損です。尾羽が欠損する理由は、オス同士のケンカで羽にかみついて引っ張ることが大きな要因ではないかと推測されます。
チェルノブイリのツバメ放射線の影響でツバメの左右の尾羽の長さが異なるというのは、チェルノブイリでそのようなツバメが観察されたことから(※)、日本でも話題になるようになりました。このチェルノブイリの調査では、高放射線地域オスのツバメ52羽の尾羽を計測したところ、左右の長さの差の平均が5.25mmであり、その差が原発事故前や、事故後であってもチェルノブイリから遠く離れた場所のツバメの尾羽の差よりも大きかったということが分かっています。しかしこのような差は目視観察で判定することはできず、ツバメを捕獲して測定する必要がありますから、日本でもそのような調査をして見る必要があるでしょう。 ※Moller, A.P. 1993. Morphology and Sexual Selection in the Barn Swallow Hirundo rustica in Chernobyl, Ukraine. Proceedings: Biological Sciences. Vol. 252:51-57. http://www.jstor.org/stable/49917 とにかく情報不足です私(神山)も、2012年の繁殖期に避難地域でツバメの調査(前述の1と2)に参加しましたが、民間人の立ち入りが制限されている場所がかなりあることや、被災した地域で人家に営巣するツバメを調べさせてもらうことの難しさから、調査対象にできるツバメの数はどうしても少なくなってしまいます。とにかく情報不足ですが、私が知り得た情報はこのホームページで公開していこうと思います。 |
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